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歯科治療で使われる歯科用「CAD/CAM」とは?

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CAD(キャド)とはコンピュータを使用して図面を作成するための設計支援ソフトウェアで、CAM(キャム)はCADで設計したデータをもとに工作機械の加工プログラムを作成するソフトウェアのことです。CAD/CAMは機械や建築、土木、電気など幅広い分野で使われており、歯科治療でも普及が進んでいます。

歯科用CAD/CAMは、患者様の口腔内をスキャンおよび3Dデータ化し、被せ物や詰め物(補綴物)の設計・製作に用いられています。

歯科治療で歯科用「CAD/CAM」が注目されている理由

テクノロジーの発展による精度向上

歯科用CAD/CAMのシステム自体は、20年以上前から使用されています。一方で、症状や治療方法によっては補綴物の強度が不足していたり、対応できる歯数に限界があったりなどの課題を抱えていました。それが光学印象の普及やソフトウェア・切削加工機の機能向上といったテクノロジーの発展によって、高品質な治療を提供できるようになり、CAD/CAMの存在が注目されています。

実際に歯科用CAD/CAMで製作した補綴物の適合精度は、一般的な歯科技工士が作ったものと比べても引けを取らない水準にまで向上していると言われています。また、設計や製作に関する情報を電子データで保存・蓄積でき、各所で共有・連携ができるのも歯科用CAD/CAMが注目される理由です。

歯科用「CAD/CAM」システムを用いた白い歯

歯科用CAD/CAMが注目されるもう1つの理由が、セラミックとプラスチックを混ぜて製作するCAD/CAM冠の存在です。これまでセラミックを用いた白い被せ物は保険適用外だったため、保険治療での選択肢は銀歯のみとなっていました。

それが2014年4月からCAD/CAM冠の保険適用が開始され、その後も保険適用の範囲が拡大されたことで、ほぼすべての歯に対して保険内でCAD/CAM冠を提供できるように。保険外の治療でなくても白い歯を選択できるようになったことから、CAD/CAM冠を導入するクリニックが増えています。

歯科用「CAD/CAM」の活用メリット

技工製作期間の短縮

歯科用CAD/CAMシステムでは口腔内をスキャンしてデータを取るため、従来の印象材を使った型取りの手間が軽減されるメリットがあります。また、技工所とのやり取りも電子データを送受信するだけなので、技工製作期間を短縮することが可能。このように、歯科用CAD/CAMシステムを導入することで、業務効率化を図れます。

患者様の負担軽減

粘土のような印象材を使った従来の型取りは嘔吐反射を起こす方もいて、不快感や抵抗感を持つ患者様は少なくありません。歯科用CAD/CAMシステムなら印象材を用いずに口腔内をスキャンできるため、患者様の身体的・精神的な負担軽減を叶えられます。

技工料が安く済む

歯科用CAD/CAMシステムを用いれば技工所と電子データでのやり取りができ、型を歯科技工士に送る手間と時間が不要となるため、技工料を安く抑えられます。ミリングマシンの導入によって院内技工に対応できる環境を整えれば、収益率を上げることも可能です。

口腔内スキャナーやミリングマシンを導入する際は、行政の各種支援制度を利用できる場合もあるため、国や自治体のホームページなどを確認してみることをおすすめします。

歯科技工士不足問題の解決

歯科業界では歯科技工士の人材不足が深刻な問題となっており、若手の志望者が少ないことから歯科技工士の高齢化が進んでいます。技工作業の効率化を図れる歯科用CAD/CAMの普及によって歯科技工士の業務負担が軽減されることで、人材不足の解消が期待されています。

歯科用「CAD/CAM」の課題

歯科用CAD/CAMは精度の向上によって一定のクオリティを確保できるというメリットがある一方で、ハンドメイド技工に比べて柔軟性に欠ける点がデメリットになります。また、業務の効率化を図れると言っても、適切な支台歯形成やマージン・色調の微調整など、歯科医師・歯科技工士が手を入れなければいけない部分もまだ多いのが現状です。

そのため、歯科技工士としての熟練した手技と歯科用CAD/CAMを組み合わせながら、技工物の製作に取り組むことが求められます。

まとめ

歯科用CAD/CAMは、現場の業務効率化や患者様の負担軽減など得られるメリットが多いので、導入する価値のあるシステムと言えます。また、歯科用CAD/CAM冠の保険適用の拡大によって保険内治療で白い歯を選択できるようになったため、患者様の満足度向上を図ることも可能です。

ただし、歯科技工士の熟練の手技に及ばない部分もまだあるので、デメリットや課題も理解したうえで歯科用CAD/CAMの導入を検討すると良いでしょう。

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引⽤元:こうざと矯正歯科クリニック公式HP(https://www.kouzatokyousei.com/clinic)

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